眠り姫と総長様


夕方、学校から帰ってきた航輝くん。

お兄ちゃんは大学に行ったらしい。


「未衣ー!ただいま」

「………」


親しげに話す航輝くんを横目に
一線を置いて頷くだけのあたし。


悲しい顔を一瞬だけ見せると、いつもと同じ笑顔になる航輝くん。


岡崎家に来て1週間経った時、たっちゃんが

「未衣、お前の部屋作ったぞ!」


お兄ちゃんと航輝くんの間に空いていた部屋を、あたし専用にしてくれた。


ありがとうの意味を込めてたっちゃんの手を握る。


嬉しそうに鼻歌を歌うたっちゃん。


その晩から一人部屋で寝るようになった


今まではたっちゃんのベッドで一緒に寝ていたけど、これからは一人。


別に寂しいわけじゃない。


一人、電気を消してベッドに入ると思い出すんだ。


みーくんが来るんじゃないかと、恐怖と戦いながら寝る日が続いた。


夢に出るのは

"みー、逃げるな。お前は俺のものだ。"


そう言ってみーくんが逃げるあたしを追いかける夢。


コワイ……タスケテ………


誰か……