「あなたー。ちょっと良いかしら」
「いーぞー。」
リビングに入ると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
まさか……。
あれ……でも確か苗字も同じ……
「どうしたんだ?」
「悠がかわいい女の子を拾ってきたの」
「行く宛ないらしいから、住ませても良いか?」
「どの子だ?」
沙織さんの背中にくっついていたあたしをお兄ちゃんが抱っこする。
「こいつ。」
「はっ?……」
「………」
あたしは驚きの余り固まっていた。
もちろん目の前にいる人も。
「……未…「初めまして。」…」
未衣…。
そう言おうとした男の人の声を遮る。
たっちゃん……
お父さんの親友。
あたしの逃げた先はたっちゃんの家族だったらしい。
初めまして。
なんて言うのは辛かったけど、仕方ない


