眠り姫と総長様


ヤンキーのお兄ちゃんと手を繋いで
お家に向かう。


「なんでこんな夜中に走ってんのかは聞かねぇよ。
でも、そんな格好じゃ寒いだろ」


そう言ってお兄ちゃんは来ていたパーカーをあたしに着せた。


暖かい……


「な?暖かいだろ」


コクン

頷くと嬉しそうな顔をしたお兄ちゃん。


「お前何歳だ?」

「……13。」

「13か。俺の弟と同い年だ。俺は21だ」


21歳には見えないな……。

ちょっと意外。


20分くらい歩くと、住宅地に入っていった。


「もうちょっとで家に着くからな」

「……ん。」


「そういえば名前聞いてなかったな。

お前名前は?」


「……未衣。」


「俺は悠。岡崎 悠だ。

よろしくな未衣。」


「……よろしく」




これがあたしとゆーちゃんの出会いだった。