眠り姫と総長様



いつの間にか男の子が怖くなっていたあたしは、たくさんの男の子がいる学校に行けなくなっていた。


中学1年生。
世間的にはそう言われる歳になった。


無気力でただ一日中ボーッとして、
みーくんの存在に怯える日々。

そんな生活をしていたあたしに、転機が来た。



雪が降りそうなほど寒い日。

いつも誰かしら居る家に今日は誰も居なかった。
もちろんみーくんも。


これはチャンスだ。

そう思った。


なんで誰も居ないのか知らないけど、
逃げれるのは今しかない。


寒い冬に、白いワンピース1枚。


早く……早く逃げないと。


誰かが帰ってくる前に、と家を出ると
辺りは暗くなっていた。


時計なんて見ないで生活して居たから、
リズムが狂っていたのかも……

昼間だと思っていたら、もう夜だった。


でも逃げるのに時間なんて関係ない。


「はぁ……はぁ……」


行く宛なんてないけど、とりあえず

誰にも見つからないように遠くに走った


どのくらい走ったんだろう?

全く知らない街に来ていた。