「未衣。ゴメンな……。」


毎回謝るパパ。


「パパ。あたし強くなりたい」


少しでもパパの力になりたくて、迷惑をかけたくなくて、パパに頼んだ。


「でも…」

「お願い!」

「……わかったよ」


渋々だけど、パパはあたしに護身術とケンカを教えてくれた。

上達の早かったあたしは、すぐに覚えた。


「未衣は覚えるのが早いな」

「へへっ。」


パパが忙しい時は、当時副組長だった

パパの弟のみーくんに教えてもらってた


「みーくーん!」

「おっ、みー。」

「みーくん大好き」


今も昔も、みーくんはあたしにいつでも優しかった。



パパが居て、ママが居て、みーくんが居て、組員が居て………


辛いことがあっても、強くなる為に頑張った。


いつも笑顔で明るかったあたしの周りには、たくさんの人が集まってきた。

友達もたくさんいた。



とても幸せだった……。