あたしのパパは、全国ツートップ
篠原組の組長だった。
仕事の時は、たくさんの男を後ろに連れて歩く怖いパパ。
「未衣」
仕事以外では優しいパパ。
ママは厳しかったけど、優しかった。
「パパ、ママ。だーいすきっ!」
「パパも未衣の事大好きだぞぉー!」
「圭!あたしは?」
「もちろん未姫も大好きだぞ!」
「もぅ。圭ったら」
パパの名前は圭。
ママの名前は未姫。
お互いを名前で呼ぶ仲の良いパパとママはあたしの自慢だった。
でも、やっぱり家はヤクザ。
よく家を潰そうと、命を狙ってくる人はたくさんいた。
それも、子供の抵抗出来ないあたしがよく利用された。
よく人質にされ、ナイフや拳銃を突きつけられる。
その度に助けてくれるパパと組員。
子供は大人には勝てない。
頭では分かっていても、やっぱり悔しかった。