「未衣……大きくなったな。」

「うん」


みーくんの目の前に座る。

愛おしそうにあたしを見るみーくん。


「未衣……すまなかった!」


突然、あたしに土下座をするみーくんは、篠原組の威厳もなにもなかった。


「………」


そんなみーくんを、ただただ無表情で見つめるあたし。


「未衣が笑わなくなってから気づいたんだ。
俺は愛し方を間違っていたんだって。

そして居なくなってからわかってんだ。

今まで俺が未衣にして来ていた事は全て、未衣を傷つけているだけなんだって」


必死に謝るみーくんにプライドの欠片もなかった。



「もういいよ」


口からポロっと出た言葉。

きっとこれは本音。


あぁ……やっぱりあたしはみーくんの事を許せちゃうんだ。


「本当か!?」

「…うん。」


酷いことをしてきたみーくんを許せるのは、本当は優しいって知っているから。

ただ純粋にあたしを愛していただけだから。

でも、誰かを愛した事のないみーくんには、どうすればいいかわからなかっただけ。