眠り姫と総長様


外で車の音が聞こえる。


「あっ、お迎え来た…。」

「寂しくなるわねぇ」

「そうだな…」


「じゃーね!さっちゃん、たっちゃん」


二人に見守られて家を出る。


外に止めてある車に乗り込む。


「未衣おはよ」

「おはよ隆斗」

車に居たのは隆斗だけだった。

「出せ。」

車が発信する。


朝早いから近所には誰も歩いていない。


「………」

「………」


車に沈黙が走る。

もともと、あたしも隆斗も喋る方ではないから沈黙は当たり前。


約1時間。

2つ離れた町にある、あたしの家。


「着いたよ」

「うん」