眠り姫と総長様


2日間、いつも通りみんなと倉庫で過ごし、楽しんだ。

部屋にある荷物をまとめる。

今日、迎えに来るのは分かっているけど
いつ来るかは言われていない。

でもなんとなく分かる。

きっと、こーちゃんとゆーちゃんが起きる前の朝だ。


だから前もって、下にいるさっちゃんとたっちゃんに言っておく。


「さっちゃん。たっちゃん。」

「未衣、おはよ」

「今日は早いのねー」

「その荷物は?」

朝早くから、大きな荷物を持っているあたしを不思議に思うたっちゃん。

当たり前か……。


「突然来たあたしを育ててくれてありがとうございました。」

感謝の気持ちを込めて頭を下げる。

「なんだよ。最後みたいな言い方して」

「最後だからだよ……。」

「まさか……」

「お迎えがもう少しで来るの。」

「あいつらには?」

「言ってないよ。黙っていくつもり。」

「………」


なにも言わなくても、いずれは分かるもん。


「本当にそれで良いのか?」

「うん」

もう決めたことだから。


「そうか。たまにはこっちに来いよ。」

「うん。」

「身体に気をつけてね!」

「はーい」