「絶対に入るな、って言われてる部屋が
さっきの部屋の2つ隣にあるだろ」
「はい」
さっきの部屋の2つ隣にある部屋は、
昔から親父に何があっても入るなと言われてきた。
「あの部屋に未衣がいるからなー」
「なんでですか?」
「あれは一樹が、未衣の為に作った部屋だからだよ」
「はっ?」
意味わかんねぇ。
未衣の為に部屋を作るほどの何があるんだ。
本当に未衣は何者なんだよ………。
未衣を知っている奴は近くに沢山いるのに、誰も真実を教えてくれなくて
むしろ謎が増えていくばかり。
「まぁ、とりあず部屋に行け!」
「未衣が来たら飲み直すぞー!」
まだ飲むんですか……。
結局その日はずっと初代が潰れるまで
付き合わされた。


