眠り姫と総長様


「今までどこに居たの?」

「たっちゃん家にいたー。」

「心配したんだよ?」

「ゴメンなさーい。」


「まったく…心配ばかりかけて」

「目離すとすぐ居なくなるんだから」

「はーい…」


「未衣、大きくなったね」

「確かに。未姫さんにそっくり。」


未姫さんはあたしの亡くなったお母さん


「俺たちまだ仕事残ってるから行くね」

「えー。まだ未衣と話したい!」

「ダメ」

「和麻のケチー!」


ふーちゃんが叫んでるけど、カズくんに引っ張られて部屋から出て行った。


一人になった部屋を見渡す。


昔よくここに泊まったな……

なにも変わらない部屋は、お父さんとお母さんの懐かしい匂いがする。


「お父さん……お母さん……」


会いたいよ……