眠り姫と総長様


「こないだね、隆斗に会ったの。
あの人からの伝言を伝えに来た。

時が来たら、迎えに来るって。」


あの人はあたしの居場所が分かってて2年以上も自由をくれた。

優しいあの人を知ってるから
どんなに酷いことをされても嫌いにはなれないんだ……。


あたしもあの人も、人の愛し方を知らないから……同類なんだ。


「………」


「だから、それまでみんなに黙ってて下さい。」


いっちゃんに頭を下げてお願いする。


「未衣、顔を上げなさい。」

いっちゃんの優しい声で頭をあげる。


「未衣の思いはわかったよ。
いずれあいつらも分かることだ。
今は黙っててやる。」

「ありがと…」

「未衣のお願いだ。
叶えてやるに決まってるだろ」

「ふふっ」


いっちゃんの性格は湊がしっかり受け継いでるね。