眠り姫と総長様


「そろそろ終わるかな?」

「なにがだよ。……まさかてめぇ」

「安心してよ。隆斗が未衣を襲うようなことは絶対にないから。」

「なんで言い切れるんだよ」

「俺と隆斗にとって未衣は妹みたいな存在だから。
それにあの二人は……やっぱいいや」

「気になるじゃねーかよ」

「未衣迎えに行くよー」


途中で言葉を止めた城田。

ヘラヘラ笑ってる癖に何考えてるかわからない。

城田はさっきまで塞いでいた階段を登る


階段の目の前にある部屋の前で止まると

「覗いてみる?」

なんて言い出した。


すぐに中に入りたかったが、
城田の少し悲しげな表情と、部屋から漂う異様な雰囲気に
入りたいとは言えなかった。