眠り姫と総長様


「あたし学校に居たはずなんだけど…」


「総一郎さんが理事長だったから、事情を話したら入れてくれたんだ。

そしたら未衣は寝てるし……

だからここに連れてきたの。」


総一郎さん……ダメじゃない?
あたしの状況を分かってて学校に入れるとか


「ここはどこ?」


「未衣と話すために借りた倉庫だよ」


誰にも邪魔されたくなかったんだ。

と続ける彼。


「そう。それで話って?」


嫌な予感がする……


「俺、篠原組の次期組長……若頭になった。」


「な……んで……」


自分の声が震えているのがわかる。

どうして貴方が篠原にいるの…?


「未衣が突然居なくなってから
組長が俺の所に来たんだ。

"篠原に来ないか?"ってな。

最初は断った。

だけどな、未衣が帰ってきた時に
おかえりって向かえてやりたかったんだ。」


そこまでして……どうして?

どうしてあたしにそこまでするの?

疑問ばかり出てくるよ……