眠り姫と総長様


「…ん………ん?」


ここはどこ?

確か、空き教室で湊達を待ってようと思って寝てたんだけどー……


目を覚ますと、何故かコンクリートで冷たい壁の、知らない部屋に居た。


「未衣起きた?」

後ろから突然声が聞こえて振り向くと…


「な、んで……」


どうして貴方がここにいるの……?


「未衣、久しぶりだね。」


目の前の貴方は嬉しそうに微笑む。

昔と変わらない笑顔で……


「久しぶり…」


返事はするも、急な展開に寝起きの頭はついていけない。


「最後にあった時より、大人っぽくなったね。
キレイだよ…未衣。」


どこか悲しそうに笑いながら、あたしの髪の毛を角ばった手で掬う貴方。


久しぶりに会った貴方は、声が低くなり
背も高くなってる。

黒かった髪も今は茶色。


見た目は変わっているのに、すぐにわかった……



だって貴方は



あたしの大切な人だから。