「俺が、お前が好きだ。だから―――――キスのこと謝らない」




「―――――」




雪菜は、自分の気持ちに整理がついてないままだったので
”それ、冗談じゃないの?あはは!”みたいな感じで終わらせようとしていた。


だが、羽鳥の瞳は真剣だった





「あたしは…」



その瞳に見つめられると、ちゃんと答えを出そうと思ったが、
ちゃんと答えを出そうとすればするほど、言葉が出ない。

好き、というとそれでハッピーエンドだが、羽鳥のことを今まで恋愛対象として意識したことは、ない。



だが、気持ちに答えられない、といったらきっと羽鳥との今までのような家族みたいに心地いい関係は続けられないだろう。





(あたしからトリが離れていくのは嫌なんだ――――――――)




雪菜がぐるぐると考えていると


羽鳥は雪菜の頭をくしゃっとなでた。






「――――突然言われても、そりゃあ答え出せないよな。
返事は急がなくていい。」


雪菜はうつむく。





「これから俺にほれさせてやるから」



「え、ええ!?」

突然羽鳥は、まるで少女漫画に出てくるようなセリフを言う。

自信満々のその言葉を発した。
だが、羽鳥に照れた様子は一切見当たらない。


(自分で言ってて恥ずかしくないのか……!?)