千秋は羽鳥の前を歩く。
「羽鳥、楽しかったね!」
千秋が振り返る。
「千秋、前見て歩け」
「はーい」
千秋はロングの髪をくるんと振り、視線を前へと戻す。
「まさか、羽鳥のあんな顔と絶叫を聞けるとは」
千秋は思い出し笑いで爆笑している。
「うるさい」
羽鳥は眉間にしわを寄せる。
(千秋は…多分俺に恋愛感情を持っているのかもしれない)
千秋は、羽鳥と付き合う前の、
ただただ羽鳥に片思いしてた頃のような表情を浮かべる。
それに、手を握ってきた――――――――――
なぜ千秋がそのような態度をとるのか羽鳥にはわからなかったが、
なんとなく、好意を持たれているのかも、と感じた。
「羽鳥、あたし昼ごはん食べてなかったから、どこかで何か買って食べない?」
千秋はパンフを見る。
確かに考えてみれば、移動で時間を取られ、何かを食べる時間はなかったことに気づいた。
「そうだな」

