(暇だ……暇すぎる) 羽鳥は雪菜を送ったあと、少し雪菜母と喋り、 自宅へと戻ってきた。 4月5日………雪菜にとっては誕生日だが、 俺にとっては何ら変わらないいつもの日常の内の、一日だ。 たとえ、馨と2人でネズミーランドへ行ってようと。 羽鳥はなぜかこみあげてくる苛立ち(いらだち)の理由に気付いているが、 …気づかない振りをした。 「…っ」 なぜか、無理にでも、 気付かないよう思い込んだ。