「ああ、いまさっき馨と廊下ですれ違った」
「あ、そうなんだ!なんかね!あたしの誕生日の日に、ネズミーランド連れて行ってくれるんだって!」
羽鳥は、少し眉間(みけん)にしわを寄せる。
…馨は一体どういうつもりで雪菜を誘ったのだろうか?
「じゃあ今年は馨と三人でホームパーティーしないのか?」
聞くと、雪菜は慌てて否定した。
「いやいや!するよ!まだ時間は決まってないけど、多分誕生日当日の朝から七時くらいまで先輩と遊びに行って、8時からパーティーする予定だと思うからちゃんと来てよね」
雪菜の言っている雰囲気を察したところ、「デート」という感じではないみたいだ。
(少し、安心した。……いや、待てよ、なぜ安心したんだ、俺は。)
羽鳥は思考を巡らせ、よく言う、「昔馴染みに彼氏が出来たら遊ぶ機会が減って寂しくなる」みたいな感情になっているのではないか、と結論をだした。
「ちょっと、トリ?きいてるの?」
雪菜がデコピンのお返しと言わんばかりに頬をつねってきた。
「聴いてる。じゃあ八時くらいにおまえの家行けばいいんだな。
まあ言って向かいだからすぐだけど」
「うん!ちゃんと時間もプレゼントも忘れずに来てよねっ!」
雪菜は冗談めかして笑う。

