お昼休みに雪菜へとかけられた第一声は、羽鳥からのものではなかった。
「雪菜ちゃん、一緒にご飯食べませんか?」
隣の席のゆずが、またもなんとも愛らしい笑顔で笑いかけてきた。
手には、ちっちゃくて可愛いお弁当箱を握っていた。
「うん!!食べようっ!!」
(うわああまさか、ご飯一緒に食べようとか思ってくれる人がいるだなんて…!!)
雪菜が心の中でゆずのことをおがんでいると、
「羽鳥くんも一緒に食べる?」
ゆずは、前の席の羽鳥にも声をかけた。
「いや…俺は」
どこかバツの悪そうな顔をする羽鳥。
「えへへ〜さっき、ゆず見てたんだからね!
羽鳥くん、雪菜ちゃん誘おうとしてたでしょ」
ゆずは少しニヤニヤしながら聞いてくる。
ゆずの投げかけが図星だったのだろうか、羽鳥は飲んでいたいちご牛乳を飲み、むせていた。
「ちょ…トリ、大丈夫?」
むせている羽鳥の背中を後ろから軽くたたいてやる。
一息ついた羽鳥は、思っても見ないことをゆずに言った。
「はあ……驚かせんなよ。
ああそうだな。俺は雪菜のことが好きだし、当然」
「は!?は!?羽鳥!?」
シラフで言ってのける羽鳥をまじまじと見つめる。

