「茗……。昨日も言ったけど、たった三年なんだよ」 「……」 「叔父さんも叔母さんも悲しんでるし」 「うっせーなあ。たくよー」 こうなっては、高校受験に失敗したことうんぬんではない。 茗にとって、あの男子校に行くかどうかが問題なのだ。 まるで似合わない真っ赤な髪と、どんよりした中嶋家。 「それより美夜」 「何よ」 「俺のお願い聞いてくれる気になった?」 「お願いって、まさか……」 「勿論、俺と一緒に男子校に行くって話し」