「これだけで良いかな?」

「んー、まあ、夕飯は学食のがあるとか言ってたけど、せっかくだからもう少し何か買ってくか。買って行けばどうせ食うだろうし」

「おう」

「ってお前、その前に茗から牛乳買う様に言われてなかったか?」

「あー、忘れてた。そういや、そうだっな。ははっ…」


それ、一番要らない物なんですけどね。

苦笑いした私は牛乳パックを一つ手にした。


「悪いけど、俺のも取って」

「理玖のも?」

「風呂上がりに飲もうかと思って」

「了解」


牛乳を二つ入れた途端、ズシリとかごが重くなった。



「ほかにはサンドイッチとか焼きそばは?冷凍ならピザもあるけど」

「良いんじゃねえの」


そんな会話を交わしていた時、ふいにあるものが目にとまった。



「何か食いたい物でもあったか?」

「いや、あの…」