それはこっちが言いたいわよ! あーっ、もう!時間ないのに!! 厄日って感じだわ。 茗を先に送り出した私は、強引な寝癖をなおす為、髪をすすいだ。 そして、ドライヤーで素早く髪を乾かすと、半袖カッターシャツの上にベストというスタイルで飛び出す様に部屋を出た。 いくら慣れとはいえ、この猛暑にベストはきついわ。 そんなことを考えていたせいか、急に目の前に出された足元に気付かず、つまずきかけた私の背後でクスクスと笑うその声の主は、多分――。 「何するんすかっ!!先輩っ!」