「お前が来たいとか言っちまったせいだろうが」

「何よ、そもそも私を双子に仕立てあげたのは茗でしょ。自己責任ってやつじゃないの?」

「……」

「ほーら、ね?」


今になって、自ら言い出した双子設定に後悔しているのか、クシャクシャと頭を掻いた茗は、返事なく打ち上げ花火を見上げた。


せっかく来たんだから楽しめば良いのに。

そんな事を思っていると、目の前にヒョイッと恭平の顔が現れた。


「わっ!」

「美菜ちゃん、何話してんの?」

「あっ、えっ!?いや、大した事じゃ……」


ヤッバー。まさか、聞かれてないよね。


「まあ良いや。それより、浴衣可愛いね。レンタル?」

「ううん。これは、お祭りだからって叔母さんが家にあるの着せてくれたの」

「あー、だから、あんなに来るの嫌がってた茗まで浴衣着てるのか」

「うん、まあそんなところ。恭平と理玖は?やっぱり家から着てきたとか?」