しかし、春馬は本当に助かる。

だって警察のお偉いさんの息子だよ?

もみ消すことなんて、何よりも簡単。



春馬も可哀想だよねー。

中学の頃付き合っていた彼女が殺されて。

彼女を殺したのは春馬の親友で。

春馬は殺したくても、その親友はこの地で知らない人はいないほどの有力者の息子。

いくら春馬が警察のお偉いさんの息子でも、親友には勝てない。



そこで現れた助っ人が俺。

俺はその親友のしていたイロイロなことを、世間にさらした。

勿論、春馬の彼女を殺したことも。

親友は逮捕され、父親は有力者の座を降りた。



危うく人殺しになりかけた春馬を、俺が救ったんだ。

春馬にとって、俺は恩人。

だから春馬は俺に逆らえない。

俺に逆らったらどうなるか、春馬は知っているから。



俺の生徒手帳の中に書いてある、全校生徒のデータ。

この世の中、情報が全て。

全校生徒の弱点や、過去のイロイロなこと。

それが全て、このデータに入っているんだ。

勿論、春馬や先生方のもね。



春馬は…そうだねぇ。

お母さんと小さな頃お相撲さんごっこしていた時に、誤ってお母さんを殺しちゃったことかな?

まぁお母さんもバランス崩しちゃったからね。

単なる事故として処理されたけど、春馬にとっては、辛い事件だったろうね。

だって、事故とは言え、お母さんを突き倒したのは春馬なんだから。