「秋地、これ頼む」





「わかりました」





東京に来て6年。






俺は無事大学を卒業し、そこそこの企業に就職していた。






もともと頭が悪くはなかったので、要領を掴んでからは仕事も楽に進めることができていた。





彼女も、そこそこ人並みにはできた。




ただ、そう長くは続かなかった。




いつもフラれるのは俺の方。




別れた彼女たちが吐く言葉も、いつも同じ。





「海吾は私を見てない」





「私と誰かを重ねてる」





そんなつもりはないと否定しても、彼女たちからすればもう我慢の限界らしい。





「さよなら」




そう言われて終わるのが当たり前になっていた。