「お前なぁ…いきなり人を後ろからどつく奴がいるか、アホ」 背中をさすりながら俺が言うと、嬉しそうな笑みを浮かべてごめんごめんと言う。 その笑顔を何度見てきただろう。 俺がサッカーの引退試合で決められなかったラストシュート。 落ち込む俺に、彼女が掛けてくれた言葉は"お疲れさま"でも"惜しかったね"でもなく、"海吾らしい"だった。 俺らしいってなんだよ、と返そうと思って顔をあげたら、そんな考えも吹き飛んでた。 俺の目にうつった彼女は少し涙を浮かべて微笑んでいて、何よりも綺麗だと思った。