脳をえぐる小説集



自分がノートに書いたから、田倉は切り刻まれた。




つまり、間接的ではあるが、自分が田倉に怪我を負わせたのだ。




「ぼくがやったんだ。ぼくがこの手でやってやったんだ」




田倉に仕返しをすることができた。




行人は、両手に拳を握りしめ、それを額にあてて、声を殺して笑った。




「・・・・・・やった。・・・・・・やった。・・・・・・やったやったやったやったやったやったやったやったやったぁ・・・・・・っ」