「わかってる。 俺も曖昧な気持ちで、杏ちゃんとは接したから本当にごめん…」 「ううん…、 2人が和解してよかった」 「あんたに祝福されても、これっぽっちも嬉しくないわ」 フン、と鼻を鳴らす美沙だけど。 少し頬が赤くなっていた。 「柏は?」 「弟のほう?」 直樹が首を傾げながら訊ねると、智さんはうーんと悩んでいた。 「俺も見かけないんだよねぇ」 「柏さんなら、あっちの病室よ」 そう言って病室に入ってきたのは、小呉だった。