-直樹- 「…」 状況が読めない。 俺の目の前には嵐が倒れていた。 その近くに、アイツがふらつきながら嵐を見下ろす。 「…ったく。いってぇことしてやがって…」 豹也の頬が、かなり腫れあがっている。 恐らく嵐が殴ったのだろう。 「嵐…」 「お前、誰だよ」 「直樹だ」 俺が言うと、アイツは目を開いてどこか楽しげに口角を歪めた。 「…俺のライバルの友達か」 「ライバル?」 「……智ってヤツがライバルなんだ」