-杏-



「そうだったんだ…」




直樹は全部を話すと、すっきりしたように微笑んだ。



「まぁー…、アイツのことだから。


また溜め込んでるんだろ」




「そうなのかな…?」



「明日、聞いてみる」


「また教えてね? 心配だから」

「おぅ」





気づけば明け方で、太陽の光がカーテンから差し込んでいた。


「俺等、本当に少ししか寝てないな」


「確かに」


「まぁ、無理すんなよ」

「ありがと」




あたしは起き上がると、智さんのことを改めて考え直した。




(やっぱり……、智さんは復讐を果たしたいのかも知れない)




そう思った理由がまだよく分からないけど、あたしは直接智さんと話がしたいと思った。