こうして、俺は暴走族を止めなかった。



智自身も、よく俺とバイクで駆け回るようになった。


そして暴力をするのが、暴走族ではなく。

理不尽な相手を分からせるために、人は力で理解しあうのだと。




それが俺の考えた力だった。








バイクである日、気まぐれに走っていた。


智は学校で仕事があるため、俺1人で。







そんな時柏が言っていた寄り添う女と出逢った。




ソイツが杏だった。





それから俺は智の復讐を忘れていた。

アイツにはもう、必要がないと思っていたから。








だから、どうして俺と杏を引き裂くような嘘をついたのか。


それがどうしても、分からない―…。