次の日を迎えると、いつも通りの朝だった。

直樹の寝息が聞こえて、泣きそうになった。





あたしが直樹と暮らして、約一週間が経とうとしていた。




たったの一週間かも知れないけど本当に楽しかった。

夢だと思い込みたかったぐらいに。



部屋の奥に小さく荷物がまとめられていた。





「……起きる前に行こうかな」






いつも通り朝ごはんを作り置きして、玄関を開けた。



まだ朝の6時の空は、青く澄んでいた。




背伸びをして、家まで歩き出した。




家までの距離は結構遠くて、1人になりたかったあたしには丁度いい距離だった。


目を閉じれば、昨日までの生活。





寝ても起きても、直樹がいる日々。



そんな生活はもう二度とやってこないのかも知れない。





「はは……、結局はあたしのワガママだったじゃんか」