「杏。大好きだ」 「なぁに? 改まって…」 「……いや。何でもねぇ」 「?」 「杏。お前は俺の嫁に来てくれるよな?」 「勿論だよ」 こんなに好きになれる人。 他にいるはずないから。 キミ以外、好きにはなれないから。 「……じゃあ、もう明日からは家に帰れ」 「……………え?」 一番聞きたくなかった言葉が、あたしの中でこだましていく。 「な……んで?」