「直樹っ」 玄関まで行くと頬が青く腫れた直樹がいた。 「なっ、どうしたのその怪我!」 「んあ。気にすることはねぇよ」 頭をくしゃっと撫でられる。 その大きな手に安心してしまう。 「…こっち早く来て。手当てするから」 「おぅ」 いい子にソファに座って、テレビをつけていた。 「直樹、明日はあたし出かけてくる」 「ん。誰と?」 「蒼太と静くん」 「……浮気。すんなよ?」 直樹の顔には、浮気しそうって書いてある。 「するわけないじゃんか…」 直樹の表情はちょっと拗ねていた。