【完】向こう側の白鳥。









きっと、初めて会ったあの横断歩道でも……。



美術部初めての活動のときも……。



先輩が家へと送ってくれたときも……。




デートと言って、朝から街を歩いて一日を過ごしたのも……。





全部……、



「一ノ宮先輩にとって、私は彼女の代わり……?」





「……あぁ。」





……馬鹿みたい。



本当、馬鹿みたい、私。





昨日の沢渡先輩の言葉を思い出す。





『本当に、馬鹿じゃねえの……。』





そりゃあ、馬鹿にされる。





片方は愛されていると感じている勘違い女で、



もう片方は想い人を重ねる嘘つき男で……。