ズズッ、と渋木くんがお茶を飲んだとき、家のチャイムが鳴った。


と同時に、ガラガラと引き戸があく音がし…


「こんばんはー!俺だけどー!だれか居ねぇ?」


京介の声がした。


「京介が来たね。しかも俺だけどだって。名乗らないんだ…」


「ホントだね。…チャイム鳴らした意味あるのかな」


多分来たことを知らせる為なんだろうけど、チャイム鳴らしてすぐに引き戸あけたら意味ないきがする。


「ちょうどいいタイミングかな」

渋木くんが席をたち、あたしも後を追って玄関へ。


玄関では京介がポケットに両手を突っ込んで立っていた。


「おっせーよ来るの。寒い!」


「ごめんごめん」