狐の呪い 〜社の奥の、その向こう〜





京介が来る?


さっさと家の中に入ろうとしている渋木くんの後を追い、問い詰める。


「ちょ、ちょっと待って渋木くん!京介がくるって…?」


「ん?ああ、言ってなかったっけ?京介にさっきメールしたんだ。『中村さんと祖父の家に向かってるから、京介もきて』って。京介何度か来てるから道知ってるしね」


「そ、そうなんだ…」


「今、駅についたって。じゃ、早くしちゃおう」


ガラガラッ…


引き戸を開け、靴を脱ぐ渋木くん。あたしも靴を脱ぎ家の中へ上がる。