狐の呪い 〜社の奥の、その向こう〜





周りの草木が邪魔で、よく見えない。


薄明かりで照らされているのは……











社?


「うん、分かった。気をつけてね。うん、それじゃまた」


ピッ


「待たせてごめんね中村さん。これから京介が……どうしたの?」

「…ねぇ渋木くん。あれって」


あたしは社?を指差すと、渋木くんは目を細めた。


「ああ…。さっきの暗い一本道の先にあるものだよ。中村さんはあれが何に見える?」


「あたしは…社にみえる」


「うん。あれは社。かつての<守護神>がいた場所で、狐が<護る>モノが眠ってる場所でもある」


狐が<護る>モノ?


「とりあえず、中で話そう。ここじゃ寒いからね。京介ももうしばらくしたら来るから、その間に出来ることしちゃおう」