…そう思ったとき、ちょうど渋木くんの携帯が鳴り響いた。 「あ、京介からだ」 「京介?」 ピッ 「もしもし京介?僕だけど」 なにやら渋木くんは、携帯の向こう側にいる京介と話始め、あたしはその間『何もない』場所を探した。 この家からは『何もない』場所が見えるらしく、細い一本道の先が薄明かりで照らされていた。 照らされている、といっても何がどうなってるのかは分からない。