狐の呪い 〜社の奥の、その向こう〜





無言で歩いて数分後…一軒の家を目の前に、渋木くんが立ち止まった。


「中村さん、これが祖父の家。あっちが離れの倉庫」


古風な長屋で、とても大きい。離れた場所に小さいけど二階建ての家があり、渋木くんはそれを倉庫と呼んだ。


「多分、狐についての資料は倉庫にあると思う。60年分だからかなりあるはず」


「60年…渋木くんのおじいさん歳いくつ?」


「75歳。かなり元気だから年寄り扱いしたら怒られるよ」


かなり元気な75歳…。すごく見てみたい。