狐の呪い 〜社の奥の、その向こう〜





キーンコーン…


「杞捺~帰るぞ~」


「あ、京介。…ごめん先帰ってて」


「なんかあんのか?」


「…ちょっと先生に頼まれごとされちゃって。遅くなるから先帰ってて?」


嘘をつくのは辛い。相手のためだとはいえ、嘘は嘘。


京介と絵里加に嘘をつくのは、かなり精神にくる。ズキッと痛む…。


京介はニコッと笑って「じゃあ先帰ってるな。また明日」と言ってくれた。