狐は可愛くて小さくて、モフモフしてて…。動物園行けばいくらでも見られる。そんな動物が神様と同じくらい高貴な生き物だなんて…信じらんない。
「今の人間は狐をただの生き物扱いしてるけど、あれは良くないね。狐は神様と同じくらい高貴な生き物だってこと、忘れてきてる…。だから狐は……」
ギリッと歯ぎしりする音が聞こえた。
少しだけ顔を歪めた渋木くん。だけどすぐにまたニコニコしだした。
「狐がどうかしたの?」
「……話長くなるんだけど、大丈夫?あと少しで授業だよ」
時計をみると確かにあと少しでチャイムがなる。サボるのはつらい…。
悩みぬいたあげく、あたしは授業に出ることにした。渋木くんとはまた放課後、話をすることにした。

