狐の呪い 〜社の奥の、その向こう〜





まぁそう思うよね。


「ホントなんだ…。あり得ないんだけど」


ブツブツいってる絵里加を、訝しげにみていた京介は、隣の渋木くんに視線を移した。


渋木くんはジッとあたしと絵里加をみたあと、缶コーヒーを一口飲んだ。


「…京介や中村さん、松本さんがみた狐の社って夢、どんな感じだった?」


「え?どんな感じか…。ちょっと怖かったかな。うろ覚えなんだけどね、目をさましたらすごい汗かいてたの。だから怖い夢だったのかなって…」


「怖い夢…。うろ覚えでさえ怖かったって思うことは、よっぽどだったんだね。京介もうろ覚えなんでしょ?」


「ああ。俺は杞捺みたいに汗だくじゃなかったけどな。なんか起きなきゃヤバいって感じたのかも」