狐の呪い 〜社の奥の、その向こう〜





ニコニコと笑顔で家を出るお父さんと、ニコニコと笑顔で見送るお母さん。


「さ、卓さんのあとはあなたたちよ。早くしちゃいなさいね」


「うん。ごちそうさま」


お皿をシンクにいれ、部屋からカバンと携帯を取ってくる。洗面所で髪の毛を乾かし、少しだけコテで巻く。


薄くメイクをしたら、学校スタイルの完成だ。スカートはもともと短いから、プリーツを整えて完了。


洗面所からでて、リビングへいくとソファーにどっかり座った兄がいた。


「おはよう戒斗(かいと)兄さん」

「ん、おはよう杞捺。鴇知らない?」


「鴇兄ならお風呂だよ。戒斗兄さんどうかしたの?」