希望0%

 床にじわりと血が滲み出てきた頃、その天井はもとのあるべき場所へと戻っていった。ねちゃりと、筋肉質な男だったモノの血肉がへばりつき、糸を引くかのように伸び、垂れていた。


「うっ……」


 俺達3人は目を反らし、吐き気を堪えるべく手で口を押さえる。

 死ん……だ?!また?!また死んだっていうのか?!しかも、いとも簡単に……!一体なんだっていうんだ!俺達が何をしたっていうんだ!

 ――「ゴールを目指して、がんばって最後まで生き延びてください」

 今なら、アナウンスの言葉の意味が分かるような気がする。もし、俺が思っている通りなら……。


「ゴールだ……」

「えっ?」

「ゴールを目指せばいいんだよ!そしたら俺達は助かる!」

「あっ、そうか……!」


 黒髪の少女がぽんっと手を叩いた。


「さっきのアナウンスの言葉って、そういう意味だったんですね!」

「きっとな!この長い廊下を抜けたらそこはゴールで……俺達は助かるんだ!」


 “最後まで生き延びてください”の意味が、ようやく分かった。

 微かな希望の光が見え、喜ぶ俺と少女をよそに、無口な男はしかめっつらをしていた。


「……本当にそうだろうか?」

「?」

「俺達を最初の部屋に閉じ込め、次々と躊躇いなく人を殺していくような犯人が……そのゴールとやらにたどり着いた者を、生きて逃してくれるのか?ということだ」

「それは分からない」


 俺は即答した。


「でも、どっちみちここにとどまっているわけにはいかないし、進むしか選択はないじゃないか」

「……それは、そうだな」


 先に進む同意を得られたということで、俺達は再び前方に目をやる。