希望0%

 床にじわじわとひろがっていく赤い液体。ピクリとも動かないところを見ると、やっぱり彼はもう……。

 このまま安易に進んでしまってもよいのだろうか。彼のように、今まで出会った彼らのように、命を落としてはしまわないだろうか。

 頭の中も、心の中も、恐怖だけで埋め尽くされていく。無意識のうちに身体が震え、それ以上、足は進んではくれない。まるで鉛のようだ。

 前方に希望があるのは確かなのに、そこまでの道程が果てしなく遠い。ああ、どうしてこんなことになってしまったんだ。俺達が一体何をしたっていうんだっ!


「ケイタさん……っ!」

「えっ?」


 ショウコちゃんに名前を呼ばれ、俺はふと我に返る。


「ぼーっとしていたみたいでしたから……。大丈夫ですか?」

「あ、ああ……。なんとか」


 ショウコちゃんに心配させてしまうなんて、本当に格好悪いな、俺。

 こんなにも非常識なことが連続で起こっているのに、ショウコちゃんの方が俺より何倍も強い。俺は男なんだから、しゃきっとしないといけないのに。


「……よし、行こう」


 本音は怖いさ。怖くてたまらない。でも、前方に希望がある限り、俺達は進まなくちゃいけない。こんなところで立ち止まっているわけにはいかないんだ……!


「はいっ」


 どちらからというわけでもなく、お互いがお互い、手を繋ぐ。そして、前方に見える希望に向かって歩き出した。

 なぜだろう?2人ならどんなことでも乗り越えられる気がした。俺とショウコちゃんなら、絶対に生き残ったままゴールに辿り着ける気がした。