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「……えっ」


 思わず声が出ていた。それもそのはず。前方に、照明ではない小さな光が見えたから。あれはもしかして、ゴールっ?!


「やった!アレはおそらくゴール――うわぁっ?!」


 後ろにいる誰かに背中を押された俺は、格好悪いことに派手に転んだ。


「ケイタさんっ」


 すかさず、ショウコちゃんが心配そうに近寄ってきてくれた。


「俺は大丈夫……だけど、あの人は?!」


 前方に目をやると、小さな光に向かって走っている無口な男の背中が見えた。どうやら俺を押し退けたのは彼らしい。そこまでして、彼はゴールしたかったのだろう。

 アナウンスの声は、1人しかゴールしてはいけないとは言っていないし、わざわざ俺達まで走る必要はないだろう。ゆっくりと慎重に歩いていけばいい。


「あとで謝ってもらえればそれで……」


 ――バンッ!

 小さな爆発のような音がした。ショウコちゃんと同時に顔をあげると、前方で無口な男が倒れているのが見えた。――彼は、真っ赤に染まっている。


「ヒッ……!」


 ショウコちゃんは反射的に手で自らの顔を隠し、目を背ける。

 おい……。今度は何が起こったっていんだよっ?!どうして誰かが死ななくちゃいけないんだよっ?!