何一つ理解しようとしなかった僕は、なんて愚かだったんだろう。
人に興味を持てなかった。
ただ何となく過ごしていた日常はあまりに退屈すぎるもので。
それを変えてくれたのは紛れもなく、久住果歩――彼女だったというのに。
冷徹に突き放したあの時。
彼女が何を思い、何を抱いていたのか。
それすら考えようともせず。
元の鞘に戻るだけ。
そう、軽く周りを静観して知った気になっていた。
結果として彼女がいなくなったのは、必然的なことだったんだろう。
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