カイが遠い天空を指差す。 その方向には…。 「わ…」 「な?めちゃくちゃ天使が 下りてきそうな雲だろ?」 …カイの言うことはわからなかったが、 確かに、キレイな景色だった。 雲の狭間から、光の筋が 幾つもの尾を引いて、差していた。 光が照らす街。 …雲が、光の形を作っている。 「きれ…」 「天使って、光の道ん中を 舞い降りてきそうだろ?」 …絵の世界だけの話じゃん。